おもいつき

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バクラヴァ・パーティー

f:id:Mayugeloki:20190228011807j:plain妙なイベントをよく見つけてくるニケがバクラヴァパーティなる催し物を見付けてきまして。
新宿にあるトルコ文化センターの主催で、トルコから取り寄せた各種バクラヴァをいただきながらバクラヴァに関する蘊蓄を拝聴するイベントです。
いやそもそもバクラヴァが何やねんというのが一般的な感覚かとは思いますが、中東方面の各国で食べられているやたらと甘いお菓子です。以前にアラブチャリティーバザーに行った際にも買い込んだりしてました。
砕いたナッツをふんだんに挟み込んだ厚めのパイに濃いめのガムシロップをじっっっとりと染み込ませた感じで想像してもらえば知らない人でもだいたい70点くらいの把握ができるのではないかと思います。虫歯じゃない歯でも痛くなりそうなほど甘いですがお茶請け能力が高く、なにげに癖になる味。

f:id:Mayugeloki:20190228012102j:plainイベントは完全予約制で、事前登録の後代金を振り込んで申し込み完了。
20名程度の規模とのことでしたが、予定の擦り合わせなどしてたらすぐに満員に達したらしく初回の受付分が締め切られてました。すぐに時間を変えた第二陣の受付が始まったのでそちらに申し込み。意外と参加者居るもんですね。
会場は文化センター内の会議室っぽいスペースに用意されており、指定の席にバクラヴァ各種が置かれています。あと飲み物とサラダ。飲み物は水だけが写ってますがこのあと熱い無糖の紅茶がポットで出てきました。
サラダはスパイシーなクスクスとマカロニのヨーグルトサラダ。いずれもがっつりと甘いバクラヴァに対してよい箸休めです。

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用意されているバクラヴァは7種類。
左の皿、左上からチョコ、クルミ、ヘーゼルナッツ、下の段がプレーンというか具がなくバター系の風味が強めでシロップがやや控えめに思えるタイプ。
右の皿は全体的にピスタチオ。左上が通常のピスタチオのバクラヴァと思われるもので右上がピスタチオとクリームを具に餃子のように三角形に閉じたタイプ、右下がピスタチオのクナーファと思しきもの。

クルミとピスタチオのバクラヴァとクナーファ以外は初めて食べるタイプです。個人的にはヘーゼルナッツのものと餃子型のものが印象深かったです。
ヘーゼルナッツは意外性はありませんが特徴的な香りが強烈な甘さとよくマッチしてる気がします。
餃子型のはバター系の風味が他のタイプより強めでややサックリした食感。他のバクラヴァの生地が薄い中にもコシの強さを感じるデニッシュ生地系のように感じるのに対し、このタイプはサックリとパイっぽい薄力粉の生地なような気がします。まあ「あとから考えてみればそういえば」という程度の印象なのでひょっとしたら見当違いかもしれませんけど。
クナーファはこれまで食べたことあるものはいずれも全面しっとりシロップに浸してあったんですが、今回のものは表面にパリッとした食感を残してあって固焼きそばのような食べ心地。これもメリハリがあって良かったです。

f:id:Mayugeloki:20190228012201j:plainあと会場では今回用意されていたバクラヴァの購入元の紹介動画がずっと流されてまして。
この店は240年ほど前にトルコにバクラヴァの製法を持ち込んだ元祖の店であり、なおかつ今でもトルコでバクラヴァといえばこの店、という超定番と言っていい老舗店だそうです。日本でいう木村屋のあんパンみたいなもんでしょうか。左側の眼鏡のおっちゃんが何代目かを継いだ現在の社長さんとのこと。

www.youtube.com流れてた動画はたぶんこれ。


動画では各種バクラヴァの製造工程の紹介からバクラヴァを美味しく食べるための作法まで紹介されており、この食べ方ガイドをその場で日本語訳しながら解説してもらえました。動画でいうと20分50秒辺りからです。
まず水を飲んで先に食べた料理の味を口の中からリセットしておくこと、バクラヴァを取る際にはフォークで中央よりもやや端に寄せた辺りを一気に突き刺すこと、この際に「サクッ」といい音がするのが良いバクラヴァの証、食べる際にはバクラヴァは上下をひっくり返し、シロップに浸った下の面を上あごに触れるように口に入れること、食べたあと口腔内の空気を循環させて香りを楽しむこと、といった感じだったかと思います。動画の中でただでもカロリー高そうなバクラヴァにクロッテッドクリームでしょうか? なんかクリーム乗せて食べてますね。悪魔のおにぎりのごとく背徳の味がしそう。

あと、バクラヴァのシロップってなんとなく生地を焼き終わって冷ましたあとに上からかけてじっくりと染み込ませるイメージを漠然と抱いてました。たぶんブランデーケーキとかの仕上げからの連想でしょうか。しかし動画を見てると焼き上がった生地をさらに下から加熱しつつシロップを振りかけてまして、むしろそのまま沸騰するシロップの中で煮詰めてるくらいの勢い。これなら生地が冷める際に自らシロップを吸い上げていくわけで、おでんに味を染み込ませる理論と同等。バクラヴァの尋常ならざるシロップ含有率も納得です。

 このあとバクラヴァに関するクイズ大会などもありなかなか楽しい催し物でした。バクラヴァを食べきれなかった場合に備えて持ち帰り用のタッパーを持参するよう参加要項に記されていましたが、結局全部その場で食べて帰りました。デザート的なものですがこれだけで完全に昼食代わりになるどっしり具合。

また、トルコ文化センターではこの他にもトルコの食物や伝統工芸に関する様々な催し物を行ってるようで、それらもなかなか興味深かったです。